今回は、猫の栄養について、考えてみることにしましょう。 猫の体にとって必要な栄養素は、犬やその他の動物と違う点がたくさんあります。 |
猫は高脂肪・高蛋白(犬の二倍以上と言われています)が必要です。 蛋白成分が少ない食餌を与えていると、被毛・皮膚や筋肉の状態も良くなく、体内の正常な機能や免疫力も低下します。また猫は、人間のように炭水化物からではなく、蛋白質や脂肪を代謝してエネルギーを作る事ができます。 |
チアミン(ビタミンB1)を犬の約二倍必要とします。 チアミンが欠乏すると、体重減少や脳にダメージを与え神経症状を起こすことが知られています。 |
タウリン(アミノ酸)を必ず必要とします。(犬はそれ程必要としていません。) タウリンは猫に欠かせない成分ですが、特に成長期の仔猫には重要です。欠乏によって、網膜変性や失明、拡張型心筋症、不妊症や死産・新生仔の死亡などの原因になること がわかっています。 |
カロチンからビタミンAを合成することができません。 トリプトファンをナイアシン(ビタミンB複合体の一つ)に変換することができません。ビタミンAが欠乏すると、脱毛やフケが多くなるなど皮膚の状態を悪くしたり、目に影響を与えます。 人参やトマトのように、カロチンを含んだ野菜を食べても人間のようにビタミンAを合成できません。 |
ビタミンB6とビタミンFを多く必要とします。 |
・・・ たくさんありますね。でもまだわかっていない事も随分とあるようです。 ポイントは、猫というのは、食餌中に含まれるある種の成分を、体に必要なアミノ酸やビタミンに変換する事ができない、という事なのです。つまり、一度摂取した栄養素を消化し、新しく体に必要な形に変えてもう一度体内に取り込むには、内容を変換するための酵素が必要ですが、猫はそういった様々な酵素類を、犬や他の動物のように持っていないという事がいえます。 |
こうしたアミノ酸やビタミン類を体内で変換できない以上、猫はこれらの成分をそのままの形で摂取する、つまり食べ物から直接とり入れることが必要なのです。 |
いけません。なぜなら、ドッグフードは、猫に必要な 上の 1 2 3 4 5 を満たしていないからです。 従って、猫にドッグフードを与え続けると、ビタミンやアミノ酸の欠乏症を引き起こす事になります。 |
いけません。生の魚には、ビタミンB1(チアミン)を破壊する酵素がたくさん含まれています。ですから、刺し身を食べさせる事によって、ビタミンB1の不足が起こります。 |
現在作られているキャットフードには、カルシウムを始め各ミネラル成分が十分に添加されているものが多いので、病気等で特別に獣医師から指示が無ければ、加える必要はありません。逆に与えすぎると、骨の代謝や腎臓病など多くの障害を引き起こすことになります。 |
あまり与えないにこしたことはありませんが、回数を決めて、おやつの総量は一日に食べるフードの20%以下におさえましょう。また、与えるときは、基本となる食餌を食べた後にします。デザートという感覚のほうが良いかもしれませんね。 |
そうとは言えません。 高蛋白が必要な猫の体にとって、キャットフードに使われる蛋白質は、植物性よりも肉や魚類のほうが理想的です。しかし、植物性の蛋白を使ったほうがコストがかからないのは事実です。ですから、高価である程良いフードとは言いませんが、キャットフードの質を考えた場合、価格もある程度の指標になるわけです。 |
体にとって大切な栄養素が不足していても、すぐに症状が現れるわけではありません。 しかし体に合わないフードを長い間食べ続けるうちに、目に見えないところで、体に無理をさせている事になります。何も言えない動物だからこそ、おいしくて食べやすいことも大事ですが、体の健康を第一に考えたキャットフードを食べさせてあげる事が飼い主の役目ではないでしょうか。 |
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